飲酒について

飲酒について

 飲んだアルコールは20%が胃、80%が小腸から吸収され、その大部分が肝臓で処理されます。
 まずアルコール脱水素酵素(ADH)などでアルデヒドに分解され、アルデヒド脱水素酵素(ALDH)で酢酸に変化します。酢酸は血流にのって全身に運ばれて、水と二酸化炭素となって汗、尿、呼気で体外へ排出されます。
 ALDH2活性の強さは遺伝で決定され、日本人の約44%は活性を持たないか、働きが弱い体質であり、お酒に弱い人種と言えます。

 飲酒時のアルコール血中濃度が、0.02~0.05%の時は爽快期、0.05~0.1%の時はほろ酔い期ですが、0.1~0.3%になると酩酊期でふらつきや嘔気・嘔吐を認めるようになります。0.3~0.4%では泥酔期でまともに立てず、意識もはっきりしなくなります。0.4%以上になると昏睡期で刺激を加えても起きず、血圧・体温が低下して死に至る危険性が高くなるので、周りの者が早く気づき、適切な対応をしてください。
 また、多量のアルコールを長期間飲み続けると、肝臓での中性脂肪の合成が亢進するため脂肪肝を発症するリスクが高くなります。さらにアルコール性肝炎、肝硬変、肝癌へと進展することもあります。加えて、アルコールには、精神的、身体的依存症をきたす危険も潜んでいます。

 毎年、急性アルコール中毒による大学生の死亡事例が報道されています。また、職員の平成26年度定期健康診断では、血液検査を受けた者の13.9%で肝機能障害が要観察以上の判定となっていました。クラブ活動でのコンパ、歓送迎会、忘年会などは大切なコミュニケーションの場となります。しかし、医科大学の学生、職員として、飲酒のメリット・デメリットをよく知り、上手にお酒と付き合いましょう。

正しい飲酒のためのルール
  1. 未成年者には飲ませない
  2. イッキ飲みはしない、させない
  3. 飲酒運転は自転車を含めて絶対にしない
  4. 週に2日は休肝日をつくりましょう

参考

  1. 特定非営利活動法人アスク
    イッキ飲み・アルハラ防止のページがあります
  2. 久里浜医療センター
    アルコール症スクリーニングテストが掲載されています
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