熱中症は、暑熱曝露や運動による体熱産生増加を契機に体温調節のバランスが崩れて高体温に陥り、全身のさまざまな症状をきたします。
若年者はスポーツをしている時、中壮年者は働いている時に発症することが多く、高齢者では日常生活の中で起こっています。
熱中症の発症には、身体(基礎疾患、年齢、寝不足等の体調、暑熱順化など)、環境(気温、湿度、輻射熱、気流など)および行動(活動の強さ・時間、休憩、水分補給など)の条件が関係します。特に、梅雨明け前後の急に暑くなった時には発症しやすいと言われています。日本体育協会では、気温が35°C以上の時は運動を原則中止するように勧めています。
以上のように、条件が整えば誰にでも熱中症を発症する可能性があるので、正しい知識を持ち、予防行動をとってください。また、熱中症は死に至ることや後遺症を残すこともあるので、発症時には早期認識、早期対応が非常に重要であることを知っておいてください。
症状 | 対応 | |
---|---|---|
Ⅰ度 (軽症) | めまい、立ちくらみ、生あくび 大量の発汗 筋肉痛、こむら返り 意識障害はない | 冷所での安静 体表での冷却 経口的に水分・塩分補給 |
Ⅱ度 (中等症) | 頭痛、嘔吐 倦怠感、虚脱感 集中力・判断力の低下 |
医療機関の受診 |
Ⅲ度 (重症) | 意識障害 小脳症状 けいれん発作 |
入院加療が必要 |
参考
- 環境省:熱中症 環境保健マニュアル 2014
- 日本救急医学会:熱中症 診療ガイドライン 2015