タバコの煙には約4,000種類の化学物質が含まれ、少なくとも約70種類の発がん性物質を含む250種類ほどの有害成分が認められています。吸わずに置いている時に出る煙(副流煙)に多くの有害物質が含まれていることがわかっています。したがって、喫煙者だけでなく、そばにいる人の健康にも影響を及ぼします(受動喫煙)。
喫煙による健康障害は、発がんだけではなく、呼吸器疾患、循環器疾患、脳血管疾患、消化器疾患、感染症、歯周疾患、不妊、認知症など多岐にわたります。たとえば、日本人喫煙者の肺がん発症の相対リスクは男性で4.4倍、女性で2.8倍と報告されています。
タバコに含まれるニコチンには依存性があります。ニコチンは脳の中で脳内報酬系に作用するので、喫煙によって満足感・気分高揚・緊張緩和などが起こりやすくなります。そのため、身体的・精神的依存症に陥ります。タバコが止められないのは、「ニコチン依存症」によるところが大いにあると言えます。
しかし、自分自身や周りの人たちの健康に与える影響を考えれば、「禁煙」が必要です。禁煙のことについて考えてみることが、禁煙を始める第一歩になります。健康管理センターでは、肺年齢を測定する「ハイ・チェッカー」があり、禁煙に関する相談にものっています。
がんの種類 | 相対リスク |
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肺がん | 7.0~47.1 |
喉頭がん | 1.7~38.5 |
下咽頭がん | 1.2~18.0 |
食道がん | 1.7~6.6 |
口腔がん | 1.6~2.3 |
膀胱がん | 1.4~9.5 |