産業衛生活動

ストレスチェック制度

労働安全衛生法の改正に伴い、平成28年度からストレスチェック制度の実施が義務化されています。
奈良県立医科大学においても、平成28年7月より制度を導入しており、衛生委員会での討議を経て、「公立大学法人奈良県立医科大学ストレスチェック制度実施規程」 が役員会で承認されています。

ストレスチェック制度を有意義なものとするためには、職員の皆様にその概要をご理解いただくことが重要です。
その一助として、健康管理センターのホームページに制度に関する情報を掲載しております。

ご不明な点がございましたら、どうぞ遠慮なくご連絡ください。
(内線:2198)

                          健康管理センター長(産業医)山室 和彦

本制度の趣旨・目的

メンタルヘルス不調の未然防止(一次予防)の強化
 労働者のストレス状況を早期に把握し、不調に至る前段階で対策を講じることを目的としています。  労働者自身のストレスへの気づきを促す(セルフケアの支援)
 問診結果を通して、自身のストレス状態を認識し、適切な対処につなげます。            職場環境の改善によるストレス軽減
 ストレスの原因となる職場環境を把握し、改善に向けた取り組みを行います。

職場巡視

職場の安全衛生水準を向上させるためには、快適な職場環境を整備していくことが重要です(安衛法第71条の2)。

その取り組みの一つとして、産業医・衛生管理者・衛生委員会委員による 「職場巡視」 を実施しています。職場巡視では、実際の作業状況や作業環境を直接確認し、その実情を把握することに努めています。             巡視の際には、普段の業務でお困りの点や、職場内の不安全箇所など、気になる点があればぜひお知らせください。  巡視結果は衛生委員会で報告した後、該当する職場へお伝えします。安全で快適な職場づくりのために、ぜひお役立てください。                                                また、後日、指摘事項の改善状況を確認するために再度訪問させていただく場合があります。円滑な運用のため、ご協力をお願いいたします。

  • 産業医による巡視:月1回(衛生委員会開催日に実施)
  • 衛生管理者による巡視:週1回(適宜実施)

衛生委員会

衛生委員会は、労働安全衛生法第18条 および 本大学安全衛生規程 に基づき設置されています。

職場の安全衛生を確保するためには、事業者が一方的に取り組むだけでなく、実際に働く方々の意見を反映することが重要です。
その目的から、衛生委員会は 経営側・労働側双方の委員 により構成され、安全衛生に関わる事項について調査・審議を行い、事業者に対して意見を述べる役割を担っています。

職場で安全衛生に関する問題や改善すべき点がある場合は、衛生委員会で審議する必要がありますので、どうぞ遠慮なく健康管理センターまでご意見をお寄せください。

衛生委員会の議事録は、本学ホームページの 「学内専用へのリンク」より人事課ホームページへアクセス していただき、内容別メニューの「衛生委員会議事録」から閲覧できます。

作業環境測定

特定化学物質(第一類・第二類)や有機溶剤などを取り扱う職場では、6か月以内に1回、作業環境中の濃度測定を実施することが法律(安衛法第65条)で義務付けられています。
該当する物質を取り扱う際には、速やかに健康管理センターへ測定の申請を行ってください。

作業環境測定は、作業環境測定士 によって実施されます。
測定には以下の2種類があります。

  • A測定:空気中の有害物質濃度の平均的な状態を把握するための測定
  • B測定:空気中濃度が最大になると想定される場所・時間帯で行う測定

各有害物質には基準濃度が定められており、測定結果に基づいて作業環境の管理区分を判断します。

  • 管理区分1:作業環境管理は良好である。
  • 管理区分2:管理区分1へ移行できるよう、環境改善に努める必要がある。
  • 管理区分3:直ちに作業環境の改善が必要である。

作業環境測定の結果、管理区分2または3と判断された職場については、健康管理センターとともに改善策や対応方法を検討しています。また、使用頻度の高い薬品については、身体への影響を以下に示します。

ホルムアルデヒドの身体への影響

人体には、主に粘膜への強い刺激性を伴う急性毒性があります。蒸気を吸入すると、呼吸器系・眼・のどに炎症を引き起こし、場合によっては呼吸困難を生じることもあります。また、皮膚や眼が水溶液に触れると、激しい刺激が加わり、炎症を起こす可能性があります。さらに、ヒトに対する発がん性も指摘されており、特定第2類物質に追加されています。

キシレンの身体への影響

眼や気道に強い刺激性があり、高濃度に曝露すると 頭痛・嘔気・一時的な気分の高揚・昏睡 などの症状が現れることがあります。さらに、肺や肝臓などの臓器障害を引き起こし、場合によっては生命に危険が及ぶことも報告されています。また、キシレン代替品(封入剤を含む)の導入をご検討いただいたことで、使用部署は減少しています。ご協力に感謝申し上げます。

クロロホルムの身体への影響

平成26年の特定化学物質障害予防規則等の改正により、当該物質は有機溶剤から 特定化学物質第2類物質 に分類が変更され、発がん性を踏まえた措置が義務付けられています。

長時間労働者対応

45時間を超える時間外労働は、その時間が長くなるほど 脳・心血管疾患の発症リスクを高める とされています。
また、過重労働は 心理的ストレスによる健康障害の発生 とも関連が指摘されています。
このため、職場としては長時間労働者への適切な対応が求められています(安衛法第66条の8)。そこで、本大学では、以下の対象者に対して 産業医による面談を勧奨 しています。

産業医面談の勧奨対象者

  • 1か月の時間外労働が80時間以上の者
  • 3か月間の時間外労働時間の平均が45時間以上で、疲労の蓄積が認められる者

復職支援

2004年に厚生労働省より「心の健康問題により休業した労働者の職場復帰支援の手引き」が公表され、現在では多くの職場でメンタルヘルス対策が求められています。本大学においても、2014年4月より 「職場復帰等に関する規定」 が施行され、それに基づいて 1か月以上休業した職員に対する復職支援 を実施しています。

復職支援の流れは、以下に示すとおりです。

STEP
復職手続きの開始

休業期間が1か月を超える場合
復職見込み日の 3週間前までに、以下の書類を提出してください。

  • 復職願、主治医の診断書
STEP
情報の収集

産業医面談

  • 復職意思、生活状況、治療状況など
STEP
職場復帰の可否

復職審査会
(担当理事、産業医、総務課課長、所属上司)

STEP
就業上の配慮等

復職審査会

  • 勤務時間、業務内容、残業・深夜業務、出張、異動、その他
STEP
フォローアップ

産業医面談
所属部署で実施される復職支援プログラムの評価を行います。

公務災害/労働災害

本学で最も多く発生している公務災害・労働災害は、針刺し事故および粘膜曝露事故です。
これらの事故については、発生のたびに感染管理室・医療安全推進室・病院管理課などと連携し、事故要因の分析を行い、防止策の提案や作業手順の見直し、安全器材の導入などの改善を進めています。

健康管理センターでは、職員の健康を確保するため、フォローアップとして必要な再検査日を個別にご連絡しています。

事故発生時の対応フローは、以下に示します。